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上/趣味が高じて、お店まで。井山さんのお店「円舞曲」は、居心地のよい温かい空間が魅力です。
下/壁には、鮮やかな色合いの着物が多数飾ってあります。着物好きなら、これだけで十分楽しめるくらいです。 |
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井山さんは、もともと着物の着付けの先生。仕事をしていると、着物がどんどんたまっていって、その数100点ほどにもなったのだそうです。なかには、明治時代のもので、保存状態のよい、大変貴重な物も含まれています。
貴重な着物なら、壁にかけて飾ったり、大切にしまっておいたりしますが、そうではない古い着物となると、粗末に扱ったり、捨ててしまったりする人が多いのでは。
井山さんのところにも、「いらないからあげる」などといわれ、古い着物がたくさんあります。
井山さんは、「もったいない」と思い、何とか古い着物の生地を生かして、役立てられないかと考えました。
そうして始めた趣味が、和の小物作りや洋服調に仕立て直した和洋服だったのです。
「昔の着物は、本当に、しっかり作られていたんですね。自然の素材を使って、手間と技巧をこらして……。自然の藍で染めた、味わいのある色合いなど、今の染料とは比べものになりません。今、同じ物を作ったら、どれだけお金がかかるかわかりませんね(笑)」(井山さん)
最初に作ったのは、自分の普段着用にと、モンペ調のパンツ。ところが、はきやすく、動きやすいそのパンツが、周囲の人から大好評になりました。
「このパンツは、円舞曲(ロンド)パンツと、私が名付けました(笑)。『それ、いい。私にも作って!』と、多くの人から頼まれるようになって…。本格的に小物作りなどを始めたのは、10年くらい前からですね。円舞曲パンツから、和服の生地の魅力にとりつかれた人の輪が広がっていって、今では、7人の仲間とグループで取り組んでいます。1年に一度、ギャラリーを開いて、作品の展示を行ったりもしているんですよ」(井山さん)
こうして、小物作り、和洋服仕立てが、井山さんから始まって、ついにこの春、「円舞曲(ロンド)」というお店まで開くことになったそうです。 |
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多くの仲間ができて、最近の井山さんの役割は、デザインと生地素材の買付。
「何か小物を作るにあたって、どこにどの生地を合わせるかを、私がデザイン。また、作品にはいい生地が必要なので、骨董屋さんや、骨董市に足を運んでいます。いい生地がたくさん見つかると、荷物を両手、背中に持って、まるで戦時中の食料の買い出しみたいな状態になっています(笑)。ただ、こういうことを続けていて、『いい生地が入りましたよ』と、連絡してきてくれる人が増えたので、生地探しの苦労はずいぶん少なくなりました」(井山さん)
物によっては非常に高価な古い着物。最初の頃は、扱い方が悪くて、台無しにしてしまったことが何度もあるのだとか。
「古い生地は、洗うと溶けてしまうんです。また、そのままでは、洋服にするには弱すぎます。虫干しをして、部分的に洗剤をスプレーして汚れを落とす、といった具合に、手間はかかります。しかし、仕立て直して、着ていると、生地が生き返ってくるんですね。使っていないとどんどん傷んでくる。そこは、家と全く同じですね」(井山さん)
こうして作られた小物や和洋服が展示・販売されている井山さんのお店「円舞曲」では、井山さん手作りのランチや美味しいコーヒーをいただくこともできます。
「サラリーマンなどがふらっと入るお店にはしたくない。同じ趣味をもち、気の合う仲間が集まって、1日楽しく過ごせるようなお店にしたいですね」
今年のギャラリーは5月19日縲鰀25日。北与野駅のアルーサB館3Fにて。展示販売も行っているので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょう。
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上/井山さんの作品のひとつ、カバン。元は、はんてんだったそうです。粋!
下/こちらは販売用の和洋服やカバンなどの小物。たくさんの作品の中から、気に入った物がきっと見つかるはず。 |
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左上/彩り鮮やかな着物。創作意欲あふれる昔の職人の仕事は、今なお色あせません。
左下/古い生地を織り直し、文字盤に入れた掛け時計は、アンティークな印象。 |
中/紅い金魚がかわいい着物生地。井山さんがお持ちの着物とその生地は膨大! |
右上/井山さんたちが作った和の小物。オープンするお店「円舞曲(ロンド)」で買うことができます。
右下/井山さんを取材させていただいた「円舞曲(ロンド)」の店内。居心地のよい和の空間です。 |
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お問い合わせ先
049-264-7345 広報担当 大塚佳代子