収納兼用ベンチをつくる

座面の下にたっぷり収納スペースがついたベンチです。こんなのあったら、ちょっと便利でしょ?

使用する道具・金物ほか

道具
電動ドライバー(ビット+ドライバー ビット9mmドリル)ノコギリ さしがね カナヅチ サンドペーパー
金物他
ビス65mm30本 穴埋め用丸棒10mm1本 木工用ボンド

さあ、つくってみよう

1. 部材を準備する

1)材料カット

図面に表示されている寸法通りにカットする
(注)木口(木の切り口)の直角は組立て時に大きく影響が出るので正確にカットすること。

2)木取り(部材のどの面をどう使うのか)を選択する

天然材における木目、木表、木裏、節、割れを配慮し,どのように部材を配列し完成形とするかを決める。

  • 木目/年輪が織り成す模様
  • 木表/年輪の外側、節目が少なく木目も美しい
  • 木裏/年輪の内側

※天然材は年輪の巻き方向の逆側に反りを起こす性質をもっている。

2. 部材に墨付けをする(取付け、切離し、ビスの取付け等の位置決定)

木取りを再確認したら図面の寸法を確認しながら部材の取付け位置とビスの取付け位置を鉛筆で表示する。

(注)線はさしがねを部材にピタリと合わせ、直角、垂平を意識して引く。
(注)ビスの取付け位置は部材の端になり過ぎないように注意する。
(注)墨付けは作業中の目印を決定するためにします。鉛筆の芯をとがらせ出来るだけ薄く、線付け、目印付けをしてください。

3. ビス取付け穴の加工

1)穴を空けたい部材をしっかりと押さえて、垂直に電動ドライバー(ビット9mmドリル)で穴(深さ10mm)をあける。

(注)力を入れ過ぎて、穴を深く空け過ぎないように注意すること。事前にビットの先から10mmを計って見当をつけておく。

2)全ての部材の穴空け作業を完了させる。

4. 組立て

※作業は平坦な作業台、もしくは床の上で行うこと。

1)土台を組立てる。
部材/5、6、9、7、2 ビス/65mm 丸棒

(注)予め部材9(底板)をはめる溝を加工しておくこと。均一の深さで溝を掘ることが困難な場合にはホームセンター等で加工してもらってください。

(1) 部材5と部材6をビス65mmで接合し、部材9(底板)を溝にはめ入れる。

(注)ビスはビス頭が部材にめり込む位充分に部材に締め付けること。
底板(部材9)はより美しい表面を箱内に向けること。

(2) (1)に部材6を接合する。
(3) (2)で出来た箱の内側中央部に、部材7(中仕切り)を垂直に取り付ける(側板からのビス止め、底板からのビス止め)。
(4) (3)で出来た箱の上部に部材2(背もたれ下)を接合する。

部材2を接合する側は正面に出したい面の反対側の上部にすること。

(5) 部材2(背もたれ下)上のビス穴を丸棒で埋める

(注)この部分の穴埋めは全部組上がってからでは難しくなるのでこの時点ですること。※ビス穴埋めの仕方は下の仕上げの説明を参照してください。

2)脚・背もたれを組立てる
部材/4、3 ビス/65mm
(1) 土台の部材2(背もたれ下)を取付けた両サイドに部材4(脚)をそれぞれビス65mmで垂直に接合する。

(注)土台底部からの垂直を確保すること。

(2) 部材4(左右に立ち上がった脚)の間に部材3(背もたれ)を入れて、部材4(脚)の外側からビスで接合する。

(注)部材3は正面側に美しい木目が出る様にすること。

3)座面(収納フタ)を組み立てる
部材/8、1 ビス/38mm
(1) 部材8(座面受け)を長い辺の中央で2つにカットする。

(注)部材をしっかりと押さえ、またノコギリで体をキズつけないよう充分に気を付けてカットすること。

(2) 左右2枚の座面(フタ)を連動して組み立てる。

部材1(座面)3本を10mm間隔で配置し、2つにカットした部材8(座面受け)を左右に置きビス38mmで接合する。

(注)寸法間違いのないよう墨付け位置を充分に確認する。部材8右(座面受け右)と部材8左(座面受け左)の間隔は40~42mmを確保し、座面の中央に配置する(部材1の両端が約80mmとなる位置)。
部材1(座面)3本の間隔10mmを保つためには丸棒をそれぞれの部材の間に挟み込むと便利です。
一番正面側になる部材1(座面)と部材8(座面受け)とを接合する時は部材からビスがはみ出さない様にビスを打ち込む位置は充分に注意すること。

(3) (2)を座面の中央で2つにカットする

(注)(3)は正面側に美しい木目が出る様にすること。

5. 仕上げ

1) 各穴のビスの打ち込み忘れがないか確認する
2) 各穴に木工用ボンドを適量注ぎ、穴をふさぐために丸棒をカナヅチで打ち込む。

(注)丸棒はそのままでは入りにくいので、予めその先端をサンドペーパーで削り若干細めにする。または、平らな所で丸棒を転がした状態でその先端をカナヅチで軽く叩き圧縮してもよい。

3) 出張った丸棒をノコギリで切り落とす。

(注)本体にノコギリの刃が食い込んでいかないように注意する 木目縦方向にノコギリを引くようにする。横方向に引くとノコギリ跡が残る。

4) 全体にサンドペーパーをかける。

(注)丸棒の出張りが平らになるように、また手で触れた時にささくれ等を感じられなくなるように丁寧にかける。

5) 墨付けの鉛筆あとが残っている場合には消しゴムで消す。

大工教室レポート

平成14年10月5日(土)、10月12日(土)、「第4回大工教室」を開催しました。課題は「収納兼用ベンチ」。親子連れや熟年カップルなど、幅広い年齢層の方々88組が参加、楽しく作品づくりに励まれたようです。





参加者の方からこんな感想をいただきました

【40代男性】
つくる楽しみを覚えられました。この企画の継続を希望します。
【30代女性】
大工さんに色々と教えていただき、どうにか完成させることができました。子供たちも、普段はなかなか使うことのないノコギリやドリルを、少し怖がりながらも興味津々みたいで、楽しそうに使っていました。
【50代女性】
指導してくださった若い大工さんが大変頼もしく思われました。組み立ての順序がわかりやすければ良かったです。作品には満足してます。

KONDOグループでは、今後も大工教室をはじめ、さまざまな楽しいイベントを開催していきます。みなさんもぜひご参加ください!