カラーコーディネートとは?

 最近、カラーセラピーなるものが話題を集めています。これは、頭に浮かんだ色によって、精神状態や心の傷を分析したり、人の心と体に深く働きかける色彩の効果を用いて、安らぎを与え、心身のバランスを整えるもの。
 その背景には、「色彩心理学」という学問があり、ここ20年ほどの間に、色と人間心理の関係、ストレス解消や自律神経の働きに効果を上げることなどを明らかにしてきました。
 私が学生の頃、自分の部屋を黒のモノトーンで統一している友人がいました。
 あるとき、彼がもらしたのは、「自分はセンスに自信がない。モノトーンなら、配色などのセンスを疑われることもないから」。
 カラーコーディネートというと、多くの人が「センスの問題」と考えています。しかし、カラーセラピーや色彩心理学は、カラーコーディネートが、「センスの問題」より、もっと実践的で技術的なものであることを教えてくれているのです。
 例えば風水で、「西に黄色の物を置くと、金運がアップする」というのを、おそらく一度は耳にしたことがあるでしょう。
 これを信じる、信じないは人それぞれでしょうが、色彩心理学によれば、それぞれの色には、人の心理に一定の影響を与えています。それぞれの色がもつ力を知り、自分が得たい効用の色を採り入れるのが、カラーコーディネートの基本。センスが疑われないかと心配などせずに、気軽に色を生活に採り入れていけばよいということなのです。

春らしいカラーコーディネートとは?

 カラーコーディネートを生活に採り入れるといっても、壁を塗り直したり、家具などの調度を買い替えたりする必要はありません。
 例えば、カーテン。
 カーテンは、部屋の壁のかなりの面積を覆っていますね。まず、手っ取り早いカラーコーディネートは、カーテンを変えてみることから。年中、同じカーテンを使うのではなく、季節ごとにその色を変えれば、一気に季節感あふれる生活へとレベルアップします。
 床の敷物も同様。最近はフローリングが主流になっていますが、ダーク系のフローリングは温かみと上質感を感じさせるものの、春から夏にかけては、逆効果。淡い色の敷物をテーブルの下などに置くだけでイメージが一変します。逆に、白木調のフローリングなら、春・夏はそのままの状態、秋・冬はオレンジや赤の温かみのある色のカーペットを敷くとよいでしょう。
 また、色というと、ワンポイントのアクセントが重要。これは、真っ白な紙に、カラーインクを一滴落とすのと同じ。割合的には小さくても、他との対比で、大きくイメージに影響を与えることがあるのです。
 テーブルクロスやクッション、マグカップなど、アクセントとなる色をいろいろ試してみては。色使いをいろいろ考えること自体が、生活の刺激としてプラスに働くはずです。

医学的研究によれば、人間の交感神経に刺激を与える色。興奮や活性化を促す。

赤と黄色の中間色。高揚すような力強い気持ちを後押ししてくれる。積極性アップ。プラス思考。

ヨーロッパでは春の象徴となる色。光のイメージと結びつき、希望や愛情、温かさを感じさせる。春らしさを演出する家庭の色としてオススメ。

自然・植物を連想させる色。安心感や安定感を与え、和やかな雰囲気を促進する。

幅広い色合いがあり、その効果はさまざま。明るいブルーは、「解放感」「軽やかさ」「自由」を感じさせてくれる。

ブルーと赤の二つの効果を併せ持った色。悲しい時には元気を与えてくれ、興奮を収めたい時には心を沈めてくれる。

参考文献:「色の力 色の心理」(末永蒼生著。だいわ文庫)