アドバイザー
近藤建設
カスタマーズサポートセンター
澤田一博
かつて照明といえば、本や新聞を読んだりする部屋では明るめ、トイレやお風呂などの電球は暗め、と使い道に応じて明るさを考えていました。
「太陽光に近く、さわやかな光の蛍光灯と、赤みを帯びたやわらかな白熱ランプとで、印象が大きく変わります。白熱ランプは熱をもち、電気代も高め、という難点があったため、部屋の主照明は、白熱ランプから昼白色の蛍光灯に、置き換えられていきました。しかし、最近では白熱ランプのような暖かみのある光を放つ蛍光灯も普及してきました。落ち着いた雰囲気やくつろぎ感を演出したいリビングや寝室などにはこうした電球色の蛍光灯を選ぶなど、場所ごとに光の色を考えられるようになっています。また、秋冬は電球色、春夏は昼光色、と季節によって色を変えるだけで手軽に部屋のイメージチェンジができます」
お店に蛍光灯を買いにいくと、「昼光色」「電球色」という表示があるのに気づきますが、好みではなく、部屋・季節で考えるのが、光による演出効果を生む第一歩となります。「勉強机には、手元に影ができないよう、利き手の反対側にデスクスタンドを置きます。集中力と緊張感を高めるよう、昼光色がよいでしょう。また、年齢とともに明るさ感が衰え、60歳以上の方は、20歳代の2倍の明るさが必要と言われています。使う人の年齢に応じた明るさを考えるのも大切ですね」
お次は光の当て方。かつては「1室1灯」が当たり前でしたが、最近では、主照明と補助照明を組み合わせた「1室多灯」で、雰囲気のよい空間を作り出すご家庭が増えてきました。
「天井中央に大きな照明器具をつけると、天井を低く見せ、そのぶん空間が狭く感じられます。また、1室1灯で部屋全体を広範囲に明るくすると、落ち着きませんが、補助照明で狭い範囲を個別に照らし、読書や食事、お化粧などの動作をするのに必要な明るさを確保し、作業の快適性を高めると、目の健康と演出効果をともに生み出すことが可能になります。1室多灯で、いろいろな角度の光がからみ合うと、空間に光と影による立体感が生まれ、視線を広げたり、奥行きを感じさせたりすることができます」
下に光の当て方の特徴をまとめました。壁の絵に間接配光を当てるなどの、ちょっとした工夫で部屋の印象が大きく変わります。ぜひ一度、お試し下さい。