結露のしくみと対処法｜快適生活ひと工夫｜Web be side

冬になると発生する結露。結露はなぜできて、どう対処すればいいのですか？

気温が低くなるこれからは、結露に悩まされる季節でもあります。しかし、なんの対策もせず結露が発生するままにしておくと、カビやダニなどが大発生して大変なことに。結露のしくみから予防・対策まで、お話ししましょう。

近藤建設（株）
建設工事グループ
市川隆弘

結露はなぜできるのですか？

私たちのまわりにある空気。この空気を構成しているのは窒素、酸素、二酸化炭素などの気体ですが、このなかには水蒸気（気体の状態の水）も含まれています。たとえば天気予報のとき「気温21℃、湿度80％」という言い方をしますよね。これは気温21℃の空気中に含むことができる水蒸気の量（飽和絶対湿度）を100％とし、そのときの水蒸気量（絶対湿度）はその何％かということ（相対湿度）をいっています。空気中に含むことができる水蒸気の量は決まっており、高い温度の空気のほうが低い温度の空気より、多くの水蒸気を含むことができます。
つまり高い温度で水蒸気を多く含んでいる空気が冷やされると、100％を超えてしまい（飽和状態）、水蒸気は目に見える水滴や霧、そして結露という形で現われることになり、建物が傷んだり住む人の健康を害するなどの厄介なトラブルを引き起こします。

どうして部屋の壁や窓に結露はできるのですか？

寒い日などに部屋の空気を暖めると、飽和絶対湿度が高いので室内の空気は多くの水蒸気を含むことができます。ここで水蒸気量が増えてしてしまうと、部屋の窓や壁の近くの空気は外の気温で冷やされているので、水蒸気を含むことのできる限界を超えてしまうんですね。このとき行き場を失った水蒸気が結露という形で現れるんです。
この結露が発生しているのは、壁や窓の表面結露だけではありません。怖いのはむしろ、内部結露。壁の内側や、押入れの床、畳の裏面にできて、カビやダニの温床となり、やがてそれらが頭痛やアトピー性疾患など、健康を害する原因にもなります。見えないところにできる結露だからこそ、要注意なんです。

結露を放っておくとどうなるの？？

カビやダニが好む状況は気温20～30℃で湿度60～80％。一度結露で濡らしてしまった壁や床はカビやダニの成生育にとってたいへん良い条件がそろってしまうことになります。それらの胞子や糞などがアレルゲンなります。また空気中の水分は家中に広がる性質があります。部屋の中はだいじょうぶでも、押入れの中に水分が溜まったり、温度の低い床下で結露が発生するおそれもあって、木造住宅では建物の躯体自体を腐らせたりと悪い影響を与えかねません。

こまめに換気	水蒸気の発生を抑える	素早く対処

部屋に溜まった水蒸気を少しでも減らすには、やはり窓を開けるのが一番ですね。また換気扇をなるべくまわして、その時、給気口をあければ効果的に外気を取り入れることができます。	石油を利用した暖房器具は燃焼に伴い水分を発生させます。さらに加湿器をつけたり、洗濯物の部屋干しをしたら部屋は高温多湿状態に。	結露が発生しにくい生活を心がけ発生してしまった水滴は、便利なグッズがあるので迅速に対処しましょう。