放映日2007/11/14
達人№011 斉藤 甚太郎 (ふじみ野市)
趣味 太鼓彫り
アナ:今日は太鼓彫りの達人です。ご覧下さい。
ナレ:埼玉県ふじみ野市。こちらに趣味の達人が暮らしています。斉藤甚太郎さん82才。
斉藤さんの趣味は太鼓彫りを作ること。太鼓彫りとは木の板に
立体的に浮かび上がるように文字を彫刻した作品。
丸みを帯びたラインは素朴で表札や床の間に飾るオブジェとして人気なんです。
始めたきっかけは?
斉藤:最初はね、私建築関係の仕事してたから、建てた家の表札を作ってあげたわけ。
それがだんだん面白くなってね、すこし作ってみるかって事になったのが始まりですね。
ナレ:斉藤さんは太鼓彫りを独学で学びました。塗料の使い方や材料の選び方など、試行錯誤
を繰り返して今のような素晴らしい作品をつくることが出来るようになったのです。
斉藤:人からね、教わるなんて気持ちじゃダメですよ。自分で覚える気持ちでやらないとね。
何の習い事でもそうだよね。お習字でもね、習いに行くより自分で勉強したほうが覚える
んじゃないかと思うよ。私も書道だって通信教育で建築の時やってたんだけども、
実際に先生になれたもんね。まして太鼓彫りなんて誰も教えてくれる人いないもんね。
自分で研究しながらやってるんだよ。
ナレ:斉藤さんは書道も通信教育で習い六段を習得。美しい文字を書くことが太鼓彫りを
作るのにも役立っているのだそうです。
一番難しいのは?
斉藤:字をこの木の大きさに輪郭にね、収めることがやっぱり一番使うんじゃないかな。
掘ってくのはね、外さないように掘ってけば良いんだから、多少のことは修正効くから。
ただ字だけは一回書いちゃうと収まりが決まっちゃうから、それが一番難しいね。
だから字をこの型に収めるのが3割かな。重要ですよ。
ナレ:一つの作品を仕上げるまでにはかなりの集中が必要なのだと教えてくれました。
どうして太鼓彫りを続けているのでしょう。
斉藤:もう駄目かと思っても、まだ結構やってるしね。やはり大丈夫なんです。やってればね。
止まったら人間も終わりなんでしょう。やっぱり死ぬまでは挑戦だよね。
だから一つの人の喜んでくれる物を作りたいって、それだけでしょう。
あとどうするってお金儲けてるわけでもないしね。一枚でも人にやって喜んでもらえれば
それで良い。それが最高じゃないですかね。
ナレ:喜んでくれる人がいる限り、斉藤さんは太鼓彫りを作り続けているのです。
2008/3/04 16:14