放映日2007/10/24
達人№008 森 千代子 (所沢市)
趣味 押し絵
アナ:今日は押し絵の達人です。ご覧下さい。
ナレ:豊かな緑が残る所沢市の住宅街。こちらに趣味の達人が暮らしています。
森千代子さん82才。森さんの趣味は押し絵作り。
押し絵が誕生したのは室町時代。当時は一部の貴族のたしなみでしたが、
江戸時代に庶民に広く伝えられました。布の中に綿を入れて
縫い合わせていく押し絵の技法を伝える方は少なくなっています。
森:これをうちの娘がね、お雛様じゃ大変だけれども、お母さんこれなら箱の中にぽつんと
入れちゃえば済むわねって言って。それでじゃあ作ってみようかって言ったんですね。
ナレ:森さんが押し絵を始めたきっかけは、お孫さんの為に作った雛人形作りでした。
家の中に雛壇飾りを置くスペースが無かったので、小スペースでも飾る事の出来る
押し絵雛を作ってあげたのが始まりだったのです。
森:だいぶ経ってから、色んなものを作っていくうちに、親戚の者が、
「千代ちゃんそういうのやってるならね、うちのも作ってよ」って言ってくるようになって。
ナレ:これまで300以上の作品を制作したのですが、そのほとんどは親戚やお孫さんに
あげてしまうとか。貰った時に喜ぶ孫の顔を見るのが一番嬉しいとおっしゃってくれました。
森:だから孫達にね、記念に渡しとけばさ。ちゃんと取っておいてくれれば良いけど。
ナレ:そんな森さんですが今はある作品を作る事に没頭しています。
そのモチーフになるのは魔除けとして有名な鍾馗(しょうき)様。
森:これを描いたのよね。それでイイな、これで一つ作ってみたいなと思って。
そうしたら、そんな大きなもの作ったら布の量が凄いわよ、なんて言われたり。
だけど布の量はどうでもいいの。
ナレ:どれだけ大変な作品でも、森さんは楽しんで押し絵作りをされていました。
作り上げた時の達成感、そして孫達の喜ぶ顔を見るのが森さんのパワーの源なのです。
これからも沢山の作品を作り上げてくださいね。
2008/3/04 15:12